私は以前自宅近くのいわゆる美容皮膚科ではない町の皮膚科に通っていたのですが、そこには毎日100人近い人々が注射に来ていました。

高齢者が多かったのでいったいなんの注射なんだろうと不思議に思っていましたが、みなさんが打っていたのはヒアルロン酸注射でした。

ヒアルロン酸とは潤いの成分として化粧品などにも多く含まれていて、良く知られた成分です。

ヒアルロン酸は関節の内部を満たしていますが、膝などの関節が炎症を起こすとこのヒアルロン酸は減り粘り気や弾力性を失い、膝がスムーズに動かず痛みを伴うようになってしまいます。

高齢者の多くはこのヒアルロン酸注射を打つことで膝の痛みを改善しています。

しかし、このヒアルロン酸注射には他にも使い道があります。ヒアルロン酸のこの粘り気や弾力性を利用して、ほうれい線などを皮膚の内側から改善しようというのが美容皮膚科で行われているヒアルロン酸注射によるアンチエイジングの施術です。

ゴルゴラインとも呼ばれるほうれい線は最も女性を老けて見せる嫌な存在です。ほうれい線が解消されるだけで、随分と若く見えるから不思議です。

それもレーザーなどの施術に比べると即効性があり、初めての方でもしっかりと効果を感じられるのが特徴です。

なんとなくではなく、明らかにシワが薄くなったと感じられることは施術を受けるうえで大きな励みになります。

ヒアルロン酸注射を受けるためには熟練された医師の技術が必要となります。シワの状態によって打つ場所や打つ量が変わってくるからです。

ヒアルロン酸には固めのものや柔らかめなものなどいくつかありますので、シワの状態にあったものを選ぶのが大事です。

ヒアルロン酸は種類によって抗酸化作用があったり、痛みを軽減するための麻酔が含まれていたりと負担が少なくなるように作られています。

最新のヒアルロン酸の中には流動性があり、しこりになりにくいものもあり、頻繁に動かす口元のシワに適しています。

通常ヒアルロン酸注射の効果は数カ月で、その後は皮膚に吸収されてしまいますが持続効果が長く続くものも最近では使用されています。

医師は沢山の種類のヒアルロン酸から患者の要望を聞いて使用するものを選びます。

ボトックスが筋肉を収縮させることでシワを軽減するのだとすれば、ヒアルロン酸は肌をふっくらさせることでシワを解消してくれます。

それぞれシワの場所や状態によって使い分けることで顔全体のシワを改善することができます。

ヒアルロン酸注射に失敗したらどうしようという人も安心してください。ヒアルロン酸は施術後数カ月で自然に体内に吸収されます。

またヒアルロン酸分解注射というものがあり、施術に納得がいかなかった場合でも修正することができます。

ただし、修正後一ヶ月は新たにヒアルロン酸注射をしても分解されてしまうリスクがあるため、注射はできません。

万が一、肌がでこぼこになるなど施術に失敗しても修正が可能というのは嬉しいですね。